アルメニアの少年少女合唱団。YouTubeのチャンネル名はArmenian Little Singersで、2012年にはアルメニア・リトル・シンガーズの名前で来日もしているが、現在公式サイトではLittle Singers of Armeniaと表記され、2017年に日本で出たCDもリトル・シンガーズ・オブ・アルメニアとなっている。おそらく途中で外国での呼称を変えたのだろうが、私はこのYouTubeの動画で知ったので、その表記に従っておく。
とてもうまい。エストニアとかスウェーデンといった北欧、あるいはハンガリーなどの合唱団などに近いまっすぐでピュアな声。美しい。
動画のタイトルはアルメニア語表記しかないが「ドイツ演奏旅行前のコンサート」だそうで、古い聖歌からクラシック、現代の合唱作品、ミュージカルやジャズまで幅広いレパートリーを歌っている。
注目したのは、一番最初に聞こえてきた聖ホヴァネス・オズネツィによる「キリストの善良なる殉教者」という聖歌。7世紀のものだという。単声で、節回しはカトリック風の単旋聖歌にちょっと中東風?のエキゾティックなスパイスが加わった感じ。リズムはソレーム風の単調なリズムではなく、もっと柔軟。ここで歌われている形がどこまで7世紀まで遡るのか、もっと新しい手も加わっているのかは分からないが、アルメニアといえばいち早く(ローマより先に!)キリスト教を公認した国であり、カトリックともギリシャやロシアの正教とも違う独自の聖歌の伝統が保持されていたはずで、そう思って聴くと感慨深い。
現代アルメニアの作曲家らしき人の曲もたくさん並んでいるが、良い曲が多い。そう感じさせてくれる演奏も、もちろん素晴らしい。