はじめは即興

  • ゴリラなどおサルさんはハミングしたり、石をたたいて音を立てて遊んだりする。それらは基本的に即興である。
  • 声を出したり石をたたいたりする行為自体は文化として引き継がれたものかもしれないが、そこから結果として生まれる音(のつらなり)は、何らかの「楽曲」として伝承されるようなものではなく、即興的に生じた一つの形と見るべきだろう。
  • そうした行為が文化として受け継がれ複雑化していく過程で、「こういう音のつらなりは面白いから繰り返しやってみよう」「あいつの奏でる音のつらなりは格好いいから真似してみよう」という事態が生じると、それは一つの楽曲あるいは楽曲の構成要素として共有されることになるだろう。
  • 「構成要素」として共有される場合で多いは、叙事詩や民謡などのリフレインではないかと思う。
  • 一定のパターンで詩が構成され、詩は歌われるたびに即興的に変化されたり追加されたり、曲節も変化したりするが、リフレインは基本的に変化せず、それによってその楽曲としてのアイデンティティーは保たれる。